健康に関する新しい用語として注目されるようになった生活不活発病は、長期間において体を動かさないことによって心身に様々な悪影響を及ぼす状態です。この生活不活発病は進行性であり、体を動かさない期間が長くなると筋肉量が落ちてしまい疲れやすくなります。疲れやすいので動かなくなると、食事によって得た脂肪を燃焼できなくなり肥満になります。肥満になると血管の中に老廃物がたまることで、糖尿病など重大な病気を招くことになります。さらに体を動かさないことで心にたまる不満を解消できなくなると、情緒不安定となり最終的にうつ病の原因になるなど生活不活発病は注意すべき病として挙げられます。
この生活不活発病は年齢問わずに発症するリスクがありますが、やはり重症化しやすいのは高齢者です。高齢になると筋肉量が必然的に落ちやすくなり、体を動かす時間がどうしても短くなります。その上高齢という理由で生きがいをなくしてしまう人が多く、この悪循環が心身に不調をきたすことで認知症の発症リスクを増やしてしまいます。
この生活不活発病を改善するためには、歩行やプールなど簡単な運動を行って筋肉量を維持します。ただ生活不活発病の発症原因は筋肉量の衰えよりも、定年退職や高齢といった理由で生きがいをなくすことが大きいです。そこで体がある程度動けるようになったら、収入を得られる仕事を依頼したりボランティアなどに参加して心の健康を保つことも重要です。